結婚指輪といえば、海外のハイブランドが展開する華やかで洗練されたデザインを思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし近年、日本のカップルの間で静かな、そして確かなブームとなっているのが「和風デザイン」の結婚指輪です。

日本の伝統的な美意識や、四季折々の自然の情景、そして古くから受け継がれてきた職人の手仕事を取り入れた和風の指輪は、ただ美しいだけでなく、おふたりのこれからの人生に寄り添う深い意味を持っています。派手さを抑えた奥ゆかしい輝きは、年齢を重ねても指先にしっくりと馴染み、日常のあらゆるシーンで控えめながらも確かな存在感を放ちます。

今回は、そんな和風デザインの結婚指輪が持つ魅力や選び方のポイントについて、LiiNA代表で現役ウエディングプランナーの金子さんに詳しくお話を伺いました。記事の後半では、和の心を感じられるおすすめのブランドや、指輪選びから始まる結婚式づくりのヒントもご紹介します。

日本の美意識を指先に。和風の結婚指輪が持つ特別な魅力とは?

LiiNA編集部:金子さん、今回は「和風デザインの結婚指輪」がテーマです。最近、結婚指輪を探されているお客様の中で、和風のテイストを希望される方は増えているのでしょうか。

金子:はい、非常に増えていると感じます。これまでは結婚指輪というと、プラチナのシンプルな甲丸リングや、ダイヤモンドが一直線に並んだような洋風のデザインが主流でした。しかし最近は、自分たちのルーツである「日本らしさ」に価値を見出し、そこにふたりだけの特別な意味を込めたいと考えるおふたりが多くなっています。

LiiNA編集部:和風の結婚指輪には、具体的にどのような特徴があるのですか?

金子:一番の特徴は「奥ゆかしさ」と「繊細さ」です。欧米のジュエリーが、宝石の大きさや金属の強い輝きで華やかさを主張する傾向があるのに対し、和風のジュエリーは「引き算の美学」を大切にしています。たとえば、金属の表面のツヤをあえて消すマット加工や、絹の糸のように細い筋を入れるヘアライン加工などを施すことで、ギラギラとした反射を抑え、日本人の肌にすっと溶け込むような落ち着いた質感を表現しているものが多いですね。

LiiNA編集部:たしかに、キラキラしすぎないデザインは、普段スーツを着るお仕事の男性でも気兼ねなく身に着けられそうです。

金子:おっしゃる通りです。実際、これまで指輪を着ける習慣がなかった男性のお客様からも「和風のデザインなら渋くてかっこいい」「自分の手にも浮かないから着けやすい」と大変好評です。おふたりでずっと身に着けるものだからこそ、日常に馴染む控えめな美しさが選ばれる大きな理由になっています。

自然の情景や美しい日本語が込められたロマンチックな指輪たち

LiiNA編集部:デザインのモチーフとしては、どのようなものがあるのでしょうか。やはり桜などの和の花が多いですか?

金子:桜や梅といった日本の花をモチーフにしたものは定番で人気がありますね。ただ、花そのものの形をそのまま指輪にするというよりは、花びらが風に舞う様子を緩やかなカーブで表現したり、彫り模様でさりげなく表現したりと、非常に抽象的で洗練されたデザインが多いです。

LiiNA編集部:なるほど。パッと見ただけでは和風だとわからないくらい、さりげないのですね。

金子:そうなんです。ほかにも、川のせせらぎや風の動き、雪の結晶、夜空の月など、日本の美しい自然情景をデザインに落とし込んだリングがたくさんあります。和風の結婚指輪の多くには、一つひとつに「初音」や「せせらぎ」「木漏れ日」といった美しい日本語の名前が付けられていて、それぞれにロマンチックなストーリーが込められているんですよ。

LiiNA編集部:指輪の背景にあるストーリーごと選ぶというのは、とても素敵ですね。

金子:ええ。もし、そういった日本の伝統や確かな技術を背景に持つ、質の高い指輪を探しているのであれば、1937年創業という長い歴史を持つL&Co.(エルアンドコー)のような老舗ブランドのコレクションを見てみるのもおすすめです。長年培われた職人の技術があるからこそ、和の繊細なニュアンスを金属で美しく表現することができるんです。また、もう少しカジュアルに、日々の生活に優しく寄り添うような軽やかなデザインがお好みであれば、BLOOM(ブルーム)の指輪も魅力的です。植物や自然を連想させる、柔らかく繊細なラインの指輪が見つかるはずです。

職人の手仕事を感じる「鍛造」や「槌目(つちめ)」の味わい

LiiNA編集部:和風の結婚指輪を見ていると、表面が少しボコボコとした手作り感のあるデザインもよく見かけます。あれも和風の特徴なのでしょうか。

金子:それは「槌目(つちめ)」と呼ばれる、日本の伝統的な表面仕上げの技法ですね。専用の金槌(ハンマー)で金属の表面をトントンと叩いて、その打痕をあえて模様として残す手法です。叩く力加減やハンマーの大きさによって、ふたつとして同じ模様にならないのが魅力です。光が当たると、水面がキラキラと揺らめくような、とても温かみのある反射の仕方をします。

LiiNA編集部:職人さんの手仕事の跡がそのまま指輪に残るなんて、すごくロマンがありますね。

金子:そうですよね。日本の伝統的なジュエリー作りは「鍛造(たんぞう)」といって、金属を叩いて鍛え上げながら形を作っていく技法が古くから用いられてきました。この技法は指輪の強度を高める効果もあるため、一生モノの結婚指輪には非常に適しています。

LiiNA編集部:その槌目模様を、自分たちで手作りすることもできると聞いたことがあります。

金子:はい、最近はとても人気がありますよ。たとえば、歴史ある古都で手作り体験ができる鎌倉彫金工房では、おふたり自身がハンマーを握って、トントンと指輪に槌目模様をつけていくことができます。日本の伝統的な技法を自分たちで体験しながら指輪を作るという時間は、ただお店で指輪を買うのとは全く違う、かけがえのない思い出になります。完成した指輪のちょっとしたいびつさも、おふたりだけの愛おしい個性になりますからね。

和の彩りを取り入れる。肌に馴染む素材と色使いの工夫

LiiNA編集部:素材の色についてはいかがでしょうか。和風というと、やはりプラチナが一般的なのでしょうか。

金子:もちろんプラチナは人気ですが、和風のテイストをより引き立たせるために、ゴールド素材を選ぶ方も非常に多いです。特に、日本の伝統色である「桜色」を思わせるピンクゴールドや、少し渋みのあるシャンパンゴールドなどは、日本人のやや黄みがかった肌の色に驚くほどよく馴染みます。

LiiNA編集部:プラチナとゴールドを組み合わせたりすることもあるのですか?

金子:はい、コンビネーションリングも和風デザインではよく見られます。異なる素材を組み合わせることで、より複雑で豊かな表情が生まれます。もし、金属の質感や色合いに徹底的にこだわりたい、少し個性的な色使いで和の芸術性を表現したいというおふたりには、天然石や地金の美しさを追求しているBizoux(ビズー)のようなブランドも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。日本の感性を活かした、繊細で美しいテクスチャーの指輪が揃っています。

LiiNA編集部:色々なブランドの特徴を知ると、どこから探し始めればいいか迷ってしまいそうです。

金子:そんな時は、国内最大級の品揃えを誇るFISS(フィス)などのオンラインショップで、まずはたくさんのデザインを眺めてみるのもおすすめです。家にいながら様々なブランドの和風テイストの指輪や、槌目などの表面加工を比較できるので、おふたりの好みの傾向をすり合わせるのにとても便利ですよ。

和装婚だけじゃない?和風リングとウェディングスタイルの相性

LiiNA編集部:和風の結婚指輪を選ぶと、結婚式もやはり和装での神前式にしないと合わないのかな?と考えてしまう方もいるかもしれません。その点はいかがでしょうか。

金子:まったくそんなことはありませんので、ご安心ください。たしかに白無垢や色打掛といった和装には完璧にマッチしますが、先ほどもお話ししたように、和風の指輪の魅力は「肌に馴染む控えめな美しさ」です。そのため、純白のウェディングドレスにも、カラードレスにも、そして何より普段の洋服にも、違和感なくすっと溶け込んでくれます。

LiiNA編集部:ドレスの邪魔をしない、ということですね。

金子:その通りです。和風だからといってコテコテの「和」を主張しているわけではないので、どのようなウェディングスタイルでも自信を持って身に着けていただけます。むしろ、洗練された和のリングは、おふたりの確かな審美眼を感じさせてくれる素敵なアクセントになりますよ。

指輪選びから始まる。LiiNAが叶えるふたりらしい結婚式のカタチ

LiiNA編集部:結婚指輪のテイストが決まってくると、どんな結婚式にしたいかというイメージも自然と湧いてきそうですね。

金子:本当にその通りで、指輪選びはウェディング準備の大切な第一歩です。たとえば「和風の指輪を選んだから、お色直しでは絶対にこだわりの和装を着たいね」とか「指輪に込められた『せせらぎ』というテーマに合わせて、自然豊かな緑に囲まれた会場を探そうか」といったように、指輪がおふたりの結婚式のコンセプトを導き出してくれることはとても多いんです。

LiiNA編集部:指輪のテーマが、そのまま結婚式のテーマに繋がるなんて素敵ですね。

金子:LiiNAでは、まさにそうした「おふたりらしさ」を大切にしたウェディングのトータルプロデュースを行っています。指輪選びの段階で見えてきたおふたりの好みや価値観をヒントに、理想の結婚式場(神社やゲストハウス、レストランなど)のピックアップから、会場見学の同行、そしてウェディングドレスや美しい和装のスタイリングまで、自由度の高いフルサポートを提供しています。

LiiNA編集部:会場がまだ決まっていなくても相談して良いのでしょうか?

金子:もちろんです!むしろ「時期も人数も、どんな結婚式にしたいかも、何も決まっていない」というまっさらな状態からご相談に来ていただくのが一番おすすめです。枠に縛られない自由な発想で、おふたりにしかできないウェディングのカタチをゼロから一緒に創り上げていきます。和風の結婚指輪が似合うような、凛とした美しい結婚式をご希望の方も、ぜひお気軽にお声がけくださいね。

LiiNA編集部:指輪の相談から結婚式全体のプロデュースまで任せられるのは、とても心強いですね。金子さん、本日は和風の結婚指輪の魅力についてたっぷり教えていただき、ありがとうございました。

金子:ありがとうございました。おふたりの一生の宝物になる指輪と、最高の結婚式に出会えることを心から応援しています。

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