ステンドグラスから差し込む光、厳かなパイプオルガンの音色、そして神父の前に並んで交わす誓いの言葉。 結婚式といえば、誰もが最初に思い浮かべるのが「チャペルでの挙式」のシーンかもしれません。

しかし、結婚式場を見学してまわるうちに、作られたようなチャペルのセットや、どこか演劇めいた誓いの儀式に対して、「自分たちには少し気恥ずかしい」「どうしても違和感がある」と立ち止まるおふたりがいます。 日常の延長線上にある、もっと自然体で嘘のない時間を過ごしたい。そんな大人世代の美意識から、今「レストランウェディングを『挙式なし』で行う」という選択肢が静かに広がりを見せています。

今回は、数々の洗練されたウエディングを手がけてきたLiiNA代表でありプランナーの金子に、LiiNAマガジン編集部がインタビューを行いました。 形式的な儀式を手放し、最初から美味しい食事と会話だけを純粋に楽しむ。そんな自由で凛とした大人のハレの日のつくり方について紐解いていきます。

作られたチャペルへの違和感。「挙式なし」を選ぶ大人世代のホンネ

LiiNAマガジン編集部(以下、編集部): 本日はよろしくお願いします。最近、「レストランウェディングを検討しているのですが、挙式なしでもいいのでしょうか?」というご相談が増えていると伺いました。

LiiNA代表/ウエディングプランナー 金子(以下、金子): はい、とてもよくいただきます。特に30代以上のおふたりから、「見世物になるような誓いの儀式は気恥ずかしい」「作られたセットのようなチャペルを歩く自分たちの姿が、どうしても想像できない」という本音をお伺いすることが多いです。

編集部: 「結婚式=挙式+披露宴」というセットが当たり前だと思っていたからこそ、そこに違和感を覚えると、どうしていいか分からなくなってしまうのですね。

金子: そうなんです。決して、おふたりの誓いの気持ちがないわけではありません。ただ、神様や見ず知らずの牧師様に向かって、あらかじめ用意された定型文を読み上げるという「形式」が、おふたりの普段の誠実な暮らしのトーンと合っていないだけなのです。

だからこそ私は、「無理に挙式をする必要はまったくありませんよ」と、まずはおふたりの違和感を肯定するところからお話を始めています。

誓いの言葉を手放し、最初からグラスを交わすという選択

編集部: とはいえ、挙式を行わないとなると、結婚式という一日はどのようにスタートするのでしょうか。メリハリがつかなくなるのでは、と心配される方もいらっしゃるかと思います。

金子: そこで活きてくるのが、レストランという空間の持つ力です。 「挙式なし」を選ぶ場合、ゲストの皆様がお揃いになったら、まずはウェルカムドリンクを片手に、おふたりが直接ゲストをお出迎えします。「今日は来てくれてありがとう」と、お一人おひとりと目を合わせながら、肩の力を抜いてご挨拶を交わすのです。

編集部: 新郎新婦が扉の奥で隠れて待っているのではなく、最初から一緒の空間で過ごすのですね。

金子: はい。そして、皆様が席に着かれたら、おふたりからごく短い歓迎の言葉を述べて、すぐに乾杯へと移ります。 厳かなパイプオルガンの代わりに、グラスがカチンと重なり合う澄んだ音が響く。それが、おふたりの結婚式の始まりの合図になります。これだけでも、十分に美しく、心温まるスタートのシーンが成立するのです。

あるいは、どうしても皆様の前でけじめとしての挨拶を残したい場合は、お食事の席のまま、ゲストの皆様に向かっておふたりの言葉で誓いを立てる「宴内人前式」というスタイルを取ることもできます。

挙式を省いた時間を、美食と会話の「余白」に還元する

編集部: 挙式というプログラムを手放すことで、時間的なゆとりも生まれそうですね。

金子: そこが最大のメリットです。一般的な挙式には、リハーサルや親族紹介、移動なども含めると、約1時間弱の時間が割かれます。「挙式なし」のレストランウェディングにすることで、その1時間を、まるごと「お食事と歓談の余白」へと還元することができるのです。

編集部: 1時間あれば、お料理を味わうペースも全く変わってきそうです。

金子: おっしゃる通りです。次々と運ばれてくるお料理に急かされることなく、前菜の美しい盛り付けをじっくりと眺め、お肉の絶妙な火入れや、ソースの芳醇な薫りを、ワインとともに心ゆくまで堪能できる。 お互いの席を行き来して、ご家族やご友人と昔の思い出話にゆっくりと花を咲かせることもできます。

銀座の歴史ある重厚なレストランや、自然光が差し込むモダンなダイニング。そうした上質な空間で、極上のお料理をただ純粋に楽しむ。挙式という儀式を手放したからこそ辿り着ける、最も贅沢な時間の使い方だと思います。

持ち込み無料だから叶う、形式にとらわれないドレスと空間づくり

編集部: 「挙式なし」という自由なスタイルを選ぶ場合、花嫁様が纏うドレスの選び方にも変化はありますか?

金子: 大きく変わります。チャペルで挙式をする場合、長いバージンロードに映えるように、どうしてもトレーン(後ろの裾)が長く、ボリュームのあるドレスが推奨されがちです。 しかし、「挙式なし」のレストランウェディングであれば、そうした「チャペルのためのルール」に縛られる必要は一切ありません。

編集部: 自分が本当に着たい、心地よいデザインを選べるのですね。

金子: はい。LiiNAでは「お持ち込み料が完全無料」ですので、おふたりの美意識に響くアイテムを自由に選んでいただけます。

たとえば、ゲストと近い距離でテーブルを囲むからこそ、遠目ではわからないような繊細なアンティークレースのドレスを選ぶ。あるいは、上質なシルクを贅沢に使った、歩くたびに柔らかくとろみのあるラインを描くスレンダーなドレスを選ぶ。 そうした「引き算された美しさ」を持つドレスは、格式高いレストランの無垢材のテーブルや、窓からの柔らかな自然光のなかで、最も美しく映えます。

編集部: 空間の設えや、お料理の質感が上質だからこそ、ドレスもシンプルな本物が似合うのですね。

金子: その通りです。結婚式という一日は、誰かの決めた型にはまるためのものではありません。 誓いの言葉という形式を手放し、ただ目の前にいる大切な方々と、美味しいお料理を分かち合う。それこそが、おふたりにとっての嘘のない、もっとも美しいハレの日の形になり得るのです。

編集部: 最後に、「挙式なしでもいいのだろうか」と迷われているおふたりへ、メッセージをお願いします。

金子: 「普通はこうするものだから」という理由だけで、ご自身の心にフィットしない儀式を選ぶ必要はありません。 おふたりが日々の暮らしのなかで「心地よい」と感じる手触りや、大切にしている価値観。それをそのまま、結婚式という一日に持ち込んでいただきたいのです。

「挙式なしで、ただ美味しいものを食べる時間にしたい」。 そのシンプルな想いは、決して手抜きでも、非常識でもありません。大人のふたりが選ぶ、とても誠実で美しい選択です。ぜひ、その想いをそのまま私たちに預けてみてください。おふたりだけの心地よい時間を、一緒に描いていきましょう。

LiiNAがご提案する、「挙式なし」の自由なレストランウエディング

作られた儀式を手放し、最初からグラスを交わす大人の選択。 LiiNAでは、挙式などの形式や持ち込み料といった制限をなくし、本物の美食と洗練された空間だけで成立する、自由なレストランウエディングをご提案しています。

『銀座ハプスブルク』や『Ginza ONO Gratia』など、おふたりの美意識が静かに呼吸する、銀座エリアの厳選された名店をご案内いたします。

「形式張ったことはしたくない。ただ、美味しい食事を楽しみたい」 まだ何も決まっていなくても構いません。 まずは、おふたりが「心地よい」と感じる時間の過ごし方について、コンシェルジュデスクでゆっくりとお話ししませんか。